6歳以上の泌尿器疾患 of 正しい犬の飼い方




大切な時間を最高の環境とともに

腎臓・尿管・膀胱・尿道

まず怪しいと思ったら・・・

泌尿器系におかしいなと思ったら、まずは「したばかりの尿」を持参して病院に向かいましょう。
尿の回数、お水の飲む量などの日ごろの様子もメモしておくと良いでしょう。

腎不全

腎臓は通常は肋骨の終わりあたりの背中側に2個存在します。
右と左ともにだいたい同じような、サイズ・形をしています。
腎臓の働きは大きく分けて3つあります。
ひとつは老廃物の排泄。
ひとつはミネラルバランスの維持。
最後にもうひとつは赤血球をつくる指令をだすことです。
なので「腎不全」になると老廃物の蓄積と貧血が起きて、嘔吐やふらつきなどの体力の低下がみられるようになります。
それ以外にも
下痢、呼吸速拍、骨折しやすくなる、高血圧などの症状もみられることがあります。

一般的に腎不全は病期で4つに分類されます。

腎不全になりやすいタイプ

・心臓が悪い
・歯石がついている
・膀胱炎をよく起こしている
・膀胱結石や腎臓結石がある
・腎炎を起こしたことがある

腎不全と診断されたら・・・

まず急性腎不全なのか慢性腎不全なのかを確認します。
急性腎不全であれば、静脈点滴などをして尿がでるようになると改善します。
一方、慢性腎不全は静脈点滴で一般状態の改善が認められることはありますが、根本的には元には戻りません。

慢性腎不全の場合

慢性腎不全治療の一番の目的は「QOLの維持」です。
つまりどれだけ、楽に快適にすごさせてあげられるかということです。
腎不全の中で一番つらいことは老廃物が体にたまる「尿毒症」状態と言えます。
その尿毒症を改善するにはどうしたらいいか。
人間であれば、透析が行われます。機械によって老廃物を体の外に出します。
犬の場合は、透析を行っている病院もありますが数少ないです。
一般の病院でできることは、
・皮下点滴によって毒素を薄めること
・毒素を吸着する活性炭などを服用すること
・毒素になりにくい食事(低蛋白質)をたべさせること
などです。
また症状によっては
・エリスロポエチン(赤血球をつくるホルモン)の投与
・ACEI(血圧を下げるお薬)の投与
・リン吸着剤(腎臓の糸球体破壊を防ぐ)の投与
が行われることもあります。

腎臓のその他の病気

・腎のう胞
(腎臓内にのう胞ができる病気。遺伝的な要因でできる。左右腎臓や肝臓にできることも。治療法なし。)
・腎周囲のう胞
(腎臓の外側に尿がたまる病気)
・腎炎(SLEなど)

尿管の病気

・尿管結石
腰痛や血尿の原因になるが、気づきにくい・・・。

膀胱の病気

・膀胱炎
細菌性と結晶(結石)によるものと2種類あります。
細菌性の場合は、抗生物質の投与をします。
一方、結石の場合は結石の種類によって異なります。
 ストルバイト結石
原因は、細菌感染による尿のアルカリ化や結石の核ができあがることです。
なので抗生物質の投与は必須です。また療法食の治療も行います。
結石でも療法食で尿pHが酸性に維持できれば溶かすことができます。
 シュウ酸カルシウム
原因は食事中のたんぱく質量や、血中カルシウム濃度のよると言われています。
基本的には尿量をふやすことで改善しますが、溶かすことはできません。

・膀胱腫瘍
腫瘍のページ参照